きのう、友だちに誘ってもらって渋谷Bunkamuraで開催中の「ピーターラビット展」に行ってきた。
友だちも私も「おとめ座」で、おとめ座期(8月23日~9月22日)に毎年、「おとめ座会」と称して、近況報告し合っている(おとめ座期でなくても会っているが)
今年はそれに「ピーターラビット展」が加わったかたち。会場は平日午前にもかかわらず、会場はけっこうな混雑。ほとんどが女性だ。一枚一枚の原画にそって、実際のえほんのおはなしが書き添えられているので、絵本を読んでいる感覚で見ていくことができる。
ピーターラビットについては「うさぎのかわいいやつ」くらいの認識しかなかったけど、想像以上にとってもおもしろく、また大いに刺激を受けた!
とくに魅力を感じたのは、次の3つの点だ。
①絵とおはなし
一つはやっぱり絵とおはなし。やっぱりまず絵がうまい。「動物がもし立って洋服を着たら…」という想定がかなり写実的に書かれている。
また、ほっこりとした絵と裏腹に話には、「お百姓さんのマグレガーさんとこの畑にだけは行っちゃいけませんよ。お前たちのお父さんは、あそこで事故に遭って、マグレガーさんの奥さんに肉のパイにされてしまったんです」に代表される、「え、そんな…」という怖いところがある。それがおはなし全体に深みを加えている気がした。
②著者の自己実現力と女子力
二つ目は、作者のビアトリクス・ポターさんの自己実現力と女子力の高さだ。
ピーターラビットのお話が誕生したきっかけは、病気の5歳の男の子を元気づけるために描いた絵てがみだったらしいが、それを自費出版して世に出したという行動力。その後、ピーターラビットがヒットした際には、知的財産意識が低かった時代にもかかわらずしっかりと商標登録して権利を守っているビジネスセンス。
また、美しく豊かな自然が「開発」によって失われることに反対し、ピーターラビットの印税で土地を買い続け、亡くなった際には、15の農場と4000エーカー以上(東京ドーム400個分!)の土地を自然保護団体に遺贈したという。その理念の実行力。
そして、土地売買の助言をしてもらった地元の弁護士と、47歳の時に結婚…って。すごい女子力というか、引き寄せパワーだな。
③「絵本ってこうやって作るんだ」
三つめは、ラフスケッチや草案が展示されていて、絵本づくりのプロセスがイメージできたこと。
私は、勝手に「ACIMをわかりやすく平易に表現すること」と「高潔なACIMと日常生活をつなげること」が自分のやくわりだと思っている。ACIMは完成されたものであり、加えることは何一つないが、日々忙しい現代人がワークを続けたり分厚いテキストを読み進めたりするのは、やはり一般的ではないというかハードルが高いのではないか。
だったら、なるたけエッセンスを保ったまま、平たくわかりやすく伝えることができないか。その一つが絵本とか童話じゃないかな、と思ったりしているのだ。そのためのインスピレーションをこのピーターラビット展でたくさんもらったような気がしている。
もちろん絵も描けないし、文も自信ないし、なによりまだACIMを理解できているとはいえないのだけど、でもベクトルは決まっている。そのベクトルにちょっぴり背中を押してもらったような気がする。
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私にとっては実りの多い「ピーターラビット展」だったし、もっともっと作者と作品について知りたいと思った。
友だちとのおしゃべりでは、気づけば相変わらずネガティブな話やグチを言ってしまっていて、帰宅後「私って、変わんないな」と反省した。でも、それもそれでよし。
誘ってくれた心の友に感謝。よい初秋の日だった。