2017-03-02
昨日は「映画の日」、「この世界の片隅に」を遅ればせながら観てきた。よく観るブログとかでも「観てきた、よかった」と紹介されていて、気になっていたのだ。
ひとことで、「すごくよかった!」
戦争の映画が苦手で観られない方だけど、これは別物。そこに生きていた人の日々の暮らしを、少女、北條すずを通して見せてくれて、まるで自分がその場に入ったかのような感じだった。
戦争って50代の私ですら、遠いことのように感じているけれど、約70年前の日本でのできごと。おじいさん、おばあちゃんの時代。父母が子どもだった時代。長い歴史のなかではごく最近のことだ。
そこで、北條すずさんとその声を演じるのんさんの、ほっこり感と、広島から呉に乞われてお嫁に行って、そこでの生活になじんでいく日常感。そこに徐々に入り込んでくる戦争の非日常性と残酷さが、対比されて見えて、やるせない気持ちになった。途中でツーっと涙が頬をつたった。70年という近い過去に現にその人たちは生きていたんだ。
そして今私たちは、物があふれる世の中に暮らし、ネットの出現で世界ともつながっている。この変化の鮮やかさよ。それがいいか悪いかはわからない。でも70年という時間の短さとその変化の激しさと。なんかすごい。
そして、私たちが「あたりまえ」と思って享受している、この豊かさは、改めてあたりまえではないんだと思った。先人の努力によってここまで来られたんだし、今も平穏さと豊かさを支えている人がいてこそ。
映画では戦争という悲惨さとは別に、戦況が激しくなるまでの田舎の自然豊かさや人と人とのぬくもり感や時間のゆったり感に、今では失われたような豊かさも感じた。何だか懐かしいような気もした。
変化。時間や場面の切り取り方によっても変わるけど。変化。
ACIMでいえば、すべては幻想だけど。今私たちが目にしている変化。
まずは自分の心を平穏に保つところから。
この映画、母に見せたいな、とも思った。いろんな思いが巡るのではないかな。
もっと長くやってほしい、日本のもっと多くの人とも共有したいし、世界の人とも共有したい、そう思った。