八十の手習い

2020-10-31

お茶のお稽古辞めるって

奇跡講座とは関係ない母のこと。

故郷でひとり暮らしをしている母は、80代半ば。外向的な性格で好奇心旺盛。パソコンでの株投資を趣味としている。元気だけど寄る年波には勝てず、痛み(側弯症+脊椎管狭窄症?)から最近は歩行力が徐々に衰えている。

母は私が一番よく話をする相手だ。

今日も電話がかかってきた。話すといっても話すのは9割がた母の方で、私は、ふむふむ、へ~、なるほどね、と合いの手を入れている。私がじっくり話をする隙はない。

母は週に一度のお茶のお稽古を一番の楽しみにしている。同級生が先生をしていて気心が知れた数名で習っている。

その母「私、来春、お茶辞めようと思っとるが。」と言う。

え、なんで?

社交好きの母にとって、お茶のお稽古は仲間と会っておしゃべりできる大事な時間のはず。一週間のリズムをとるうえでも役に立っている。

「だって、立ったり座ったりできんがなったし、手の力がなくなったから水差しや壺、ちゃんと持てんし。落としたら嫌やもん。」

え~!?

もう亡くなられてしまったけれど、同じグループでお稽古できなくなってからも見学だけしている方がいたと聞いていた。

「え~、もったいないよ。お母さんも見学だけでもして続ければ?先生、同い年なんだし遠慮しなくてもいいよ。お母さん、元気じゃない!」とまくしたてた。

年を取って老いるのは自然なこと。むしろ年の割に元気なことを喜ばなくてはならないけど、いつまでも子供じみている私は母の老いに抗いたかったのだ。

母は「最後まで聞いて。」と、いつもなら私が言うようなせりふを言った。

これからやりたいこと

「でね~、あんた、色えんぴつで絵描いてるじゃない?」

うん…。

私は東京のマンションに収納がないため、講座で描いて額装した絵を実家の物置き場に置いてってたのだ。

「あの、色えんぴつ画、お茶辞めたらやってみようかと思って。だから、今度来た時に相談乗って。家に色えんぴつあるけど、あれじゃあダメながいろ?」

え、そういうこと!?新しく色えんぴつ画を始める?

お母さんが絵を描くなんて、初めて聞いた。おそらく描いたことないだろう。

相談…?お安い御用だ。

色えんぴつ画は、色えんぴつだから、油絵や水彩画よりもっともっと手軽だ。好きな時に初めて好きなとき止められる(とはいえ、私はここ数ヶ月講座以外では全然描いてないけど)。

「うん。いいよ。最低、赤、青、黄、黒、4色あれば描けるしね。先生、描き方のYou tubeもいろいろあげてくれてるし。」

 

80の手習いかー。

その前向きさに、まだ大丈夫、とちょっとほっとした。

いま母が元気でいてくれることが一番ありがたい。

私も、新しいことにチャレンジするのを億劫がっている場合じゃないな。。。

“八十の手習い” への2件のフィードバック

  1. Tobbe より:

    すごい!お母様が色えんぴつ画やりたいですって!なんか素敵な展開になってきてビックリです。
    たまさんの絵は本当に素敵だから、お母様もそれを見て癒されていたのでしょうね。(*^_^*)

    • タマソニア より:

      お~!トベちゃん。
      こんにちは。いつもいろいろとお世話になっております。ありがとうございます (*ᴗˬᴗ)⁾⁾

      母に対してはとくべつな感情がこみ上げてきます。もちろんこれも360度プラネタリウムのような類のものなんでしょうけど。。。ワプニック先生本読みでいっぱいいっぱいでブログ書きも途絶え気味でした。見てくれて、コメントくれて、どうもありがとう。いつもエンパワーメントしてくれてありがとう。感謝しています。

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