『Journey through the Text of ACIM』(11)-2章 贖罪に対する恐れ

2019-11-06

なぜACIM学習後も自我に執着してしまうのか

この節で重要なのはなぜ神の子は聖霊ではなく自我を選ぶのか理論的に理解するだけでなく、贖罪に伴う恐れが私たちの日常生活にどのように現れるのか、なぜ私たちは学習後も聖霊ではなく自我(エゴ)を選ぶことに執着してしまうのかに着目することである、というワプニック先生の説明から始まる。

誰かが恐ろしい夢を見ているときに突然明かりをつけられたなら、その人は最初はその光自体を自分の夢の一部と解釈して、それを恐れるかもしれない」(T-2.Ⅰ.4:6)

1899年フロイトが発刊した『夢判断』には、眠って夢を見ている私たちが外的な刺激を与えられると、目を覚ましてそのことを認識するのではなく、その刺激のほうを夢のストーリーに取り込みながら夢を見続けるという現象が記されている。

イエスはこの現象を、「神との分離」という夢の中にいる私たちに当てはめている。

贖罪という光は、私たちに恐怖を感じさせる。なぜならそれは私たちを目覚めさせるだろう、そうすれば、自分という特別なアイデンティが消されてしまう、と思うからだ。

私たちは夢と一体になっており、夢の「主人公」である肉体を自分自身と同一視している。だからフロイトの『夢判断』の夢見者のように、贖罪という夢から覚めるきっかけを夢に取り込みそれを夢の一部にしたがる。

その代表例なのが既存の宗教であり、この世に「神」を持ち込み、助けを乞いたり私たちを罰させたりする。

ACIMの学習者も同様の誤りから逃れているわけではない。わが身の個別性と分離の夢はそのままで、夢の方に聖霊やイエスを引き込み私たちが抱える問題を解決してほしいと願ってしまう。

ここでイエスが強調しているのは、「この世で私に何かをしてほしいとは頼むな」「とくに恐れを取り除いてほしいと言うな」ということだ。そうではなく、「ただ自分に恐れをもたらしている要因を取り除く手助けしてほしい、と頼みなさい」と言う。それは、分離を選ぼうという心の決定である。

つまり、私たちが「夢から目覚めたくない」と思っていることがすべての問題の根幹なのだ。しかし私たちのほうは、この世界が問題の原因だと考えここに神を連れてこようとする。この世でスピリチュアルであることとは、世の問題に対して祈ることだとされている。

ましな夢を見ること < 夢から覚めること

自我のほうは私たちがこの世という罠の深みにかかっているこの状況を小躍りして喜ぶ。私たちが意識を向ける先を間違えているため、正しい心に記憶されている智識は眠りの奥に埋もれたまま。自我は安泰だからだ。

私たちが本心から望んでいるのは、夢から目覚めることであり、ましな夢を見ることではない」とイエスは強調する。

自我の視点に立てば、確かに個のアイデンティティーと特別性を失うことは重大な損失に見える。だからこそ、贖罪によって自我の思考システムから解放されることには本能的に大きな恐れがある。私たちは、イエスや聖霊に従うと何かを手放すことになるのではないか。神に幽閉され自由を失ってしまうのでないか、と恐れている。

自我は「神に対して武装せよ」と呼びかける。「天国に自由などない。好きなことを言ったりしたりなんてできやしない。神は暴君、背けば地獄を見る」

すっかり自我の考えに取り込まれている私たちが悪夢のなかで自由を選択するカギは、立ち止まってそれが「選択」だと認識することだ。私たちには自我の縛りから自由になる力が備わっているのだと気づかせるのが、奇跡のはたらきである。

正気を失った私たちには「自我は間違ったことを教えている。自我が差し出しているのは自由ではなく幽閉であり、私たちだけが真の自由という贈り物を差し出すことができる」と穏やかに教えてくれる聖霊の声が必要だ。

訂正をもたらす学びは常に、霊を目覚めさせることと、肉眼の視覚を信じるのをやめることから始まる」(T-2.Ⅴ.7:1)

これはしばしば恐れを伴うが、それはあなたが自分の霊的視覚が見せるはずのものを恐れているからである」(T-2.Ⅴ.7:2)

一方で自我は、私たちが目覚めてしまうことを恐れている。そこで策を講じる。それが「Defenses(防衛)」でこれが次節のテーマとなる。

以上、この節のざっくりしたまとめ。

自我と一体になりわが身を肉体だと思い込んでいる私たちが、夢から覚めてしまったら私自身が消えてしまうと恐れるのは無理もないと思う。だからこそ聖霊の導きが必要だし、時間をかけてその恐怖の縛りを解いていく必要があるのだろうと思う。あ゛~、頭ではわかるけど道遠し。

“『Journey through the Text of ACIM』(11)-2章 贖罪に対する恐れ” への2件のフィードバック

  1. ふうせん より:

    tamasonia さん

    こんにちは(^^)
    今回のブログにとても理解を助けてもらいました☆
    一言お礼が言いたくて…
    ありがとうございました(о´∀`о)

    • tamasonia より:

      ふうせんさん

      こんばんは!(今、夜なので)

      私はワプニック先生が書かれたものを、勝手にかいつまんで並べているだけで、、正しくまとめられてはいないんです~

      でも、いつもありがとうございます。
      励みになります。
      寒くなりましたから、風邪などひかれませんように。

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