2021-02-12
『Journey through the Text of ACIM』-わが“旅”のようす
ワプニック先生のテキスト解説本『Journey through the Text of A Course in Miracle(JTTA)』 “私の旅”は8章に入った。
1ヶ月以上間が空いたら読むのが難しくなっていて、時間もかかった。
この原書読みプロジェクトは、最後まで訳の正解がわからないまんま進んでいくのがビミョーなところだ。もちろん間違えたいとは思っていないが。
これまで仲間と会うことがある種の締め切り効果となっていたが、緊急事態宣言下では会うことも憚られるようになった。
今から振り返ると逆に、去年はよくやってたな~、と感慨深く思えた。
8章の概要
さて、8章は節立てでいうと、以下の内容。
8-0 Introduction(序論)
8-1 Oneness – The Hymn to Our Self (一体性 – 私たちの自己への讃美歌)
8-2 The Ego’s Fear of Our Choosing Oneness(一体性を選ぶことに対する自我の恐れ)
8-3 The Body : Attack/Sickness versus Healing(肉体:攻撃/病気か、癒しか)
8-4 Forgiveness (赦し)
8-5 Teaching and Learning(教えることと学ぶこと)
8-6 Jesus(イエス)
8-7 Closing(結び)
8章は三分割することにして、今回は8章2節まで読んだ。
8-0 Introduction(序論)へ
さて、序論の内容へ。
冒頭、20世紀初頭に生れた指揮者ヨーゼフ・クリップスの言葉「モーツァルトの音楽は天国から来ているが、ベートーヴェンの音楽は天国に到達する」を紹介しながら、8章をベートーヴェンの音楽に準えておられる。
モーツァルトは、天国の平安と喜びの表現そのものだが、ベートーヴェンの音楽は光と闇の闘争を経て最終的には光が勝利を収める…モーツァルトの音楽は素直に終わりを迎えるがベートーヴェンの音楽は勝利の瞬間の躍動感を何度も味わい尽くすがごとく、終わると思わせながら続きやがて終焉を迎えると。
テキスト8章では、2節の終わりから3節、4節にかけて、イエスは天国の一体性を讃える恍惚とした歌(ecstatic song)を歌っているとワプニック先生は説明なさっている。そのような箇所はテキストで唯一ここだけで、5節「一なる子の分割なき意志」は、この讃美歌のタイトルにもできる…とおっしゃっている。
そして、この一体性というテーマは、ライトモチーフとしても機能しているとのこと。
ライトモチーフとは、ワーグナーが音楽劇で初めて使った手法で、ざっくばらんにいうと登場人物や状況に付された短いテーマ曲。もっともわかりやすい例を検索したら、「スター・ウォーズ」の「ダースベーダーのテーマ」が出てきた。
せっかくワプニック先生がワーグナーを題材に説明しておられるのに、卑近な例にすり替えてしまった(^-^;
ライトモチーフは作り手が聴き手にある登場人物やある感情、情景などを思い出させるために用られる。
イエスもまたACIMで教育上の効果をもたらすためにライトモチーフの手法を用いており、「一体性」のテーマはその一つなのだという。一体性に捧げた讃美歌は、真のアイデンティティを思い出すことが重要だと私たち学習者に刷り込むイエス流の手法なのだという。
それは、単に私たちに、私たちは分断されていない神の子だという現実をさし示すだけではなく、私たちがその事実を忘れたい、抵抗したい、積極的に戦いたいという誘惑に駆られたときに、一体性を思い出す助けとものだと述べておられる。