2018-03-06
いつの間にか増えた本が部屋を狭くしている
売りに出しているマンションの内覧に来られた方が「(図面より)部屋を狭く感じた」とおっしゃっていたと、不動産屋さんから教えてもらった。
内覧の時の基本は、なるたけ部屋を整理してすっきり見せること。
私は物はあまり持っていない方だと思っていたけど…。例外があった。
本だ。
ここに来た時は、本棚2本だったが、今は仕事部屋に5本。壁一面が本棚だ。仕事部屋に入りきらず、廊下にまで置いている。これが部屋を狭くごちゃごちゃした印象にしている大きな要因だと思い当たった。
本棚は弱点と恥部をさらす
内覧で何がいやだって、本棚を見られることが一番恥ずかしい(あ、それと未だに分厚いブラウン管テレビを使っているのを見られること)。
オードリーの若林が前に「アメトーーク」の「読書芸人」の回で、「バカだから本読んでいるのに、何のバカかがバレる、自分の弱点をさらしているようなもの。」と本棚を見せるのを恥ずかしがっていたけど、私も同じ気持ちだ。
本棚には、仕事に関する経営とか経営戦略、マーケティングの本、起業の本の他、株式投資、手相占い、ユング心理学、カウンセリング、カラーセラピー、いわゆる自己啓発やスピリチュアル系の本、HTMLとかCSSとかパソコンに関するもの、健康本、料理本…。
少なければ隠したいけれど、全部は隠しきれない。知らない人だし、面倒だし、といつものまんま。
『100万円を7年間で1億円にする株式投資』なんてタイトルも、恥ずかしい。『クビレがよみがえる「美腰(びこし)」エクササイズ』というのも、なんだかな。『元彼と復縁できる方法』なんてのも、かなりイタイ。『思いが100%かなう』系や『好きをしごとにする』系の本も、もろに弱点をさらしている気がする。
お客さんに天袋を開けられた時には、小倉優子の写真集が出てきて、赤面した(デビューしたての頃のゆうこりんがかわいくて好きだった)。お客様はどこでもかまわず開けるのである。
考えてみれば、これから経営の仕事をまた頑張ってやっていこうという意欲もないし、手相の本もいらない。輪廻やチャクラといったスピリチュアル系の本ももう一度読むとも思えない。ごくわずかな本を除いては、もう今の自分に要らないのかもしれない。
今の私が手元に置きたいのは、『奇跡講座』関連と『神の使者』『アナスタシア』のシリーズくらいかもしれない。
よし、本を処分し、部屋をすっきり見せよう。
本を処分するのって、パワーが要る
ともかく、廊下の本棚だけでも処分しようと、本の買取サービスに引き取り申込みした。
だが、さてどの本から処分しようか。いざ手に取ると、とたんに迷いが出てくる。
ああ、あの頃はこの著者が好きだった、と少し若い自分を思い出す。処分するはずが、ぱらぱらめくりだしたりする。
書類も同様で、前にやった仕事の資料なんてもういらないのに、「あのプロジェクト頑張ったな」などと、気づいたら当時を懐かしんだりしている。
過去や未来に思いをはせるのは、エゴの防衛策
ACIMは、過去にこだわることなく、また未来を心配することなく、今に生きることを重視している。
なぜなら、過去も未来も幻想であって、ここに見えている幻想をどうにかできるのは、今この一瞬しかないから。
過去や未来に思いをはせることは、今にフォーカスすることを避けるためエゴの防衛策のひとつだと言う。
そうなんだ。そうなんだ。
いつかこの世を去るときには、物はもちろん体も持っていけない。
それはわかっているつもり。
でも、もう読まないだろう本を処分するのにさえ、えらい抵抗がある。内向性が強い私は、おそらく本に自分を投影してきたんだろう(即物的な本が多いが)。
頭と心を占めていたこれらの“情報”を手放したら、新しいものが入るスペースができるかな。
荷物を軽くして、私はどこへ行こうとしているのかな。
これは道(course)に沿ったことなのかな。
センチメンタルな気分になるのは、3月だから?
手放すときには、ありがとうって言うと楽になるのかな。
思えば、本に導かれてここにいるんだな。ありがとう。ここにいてくれた本たち。
やっと。そう言えるようになったよ。