母との東京旅

2016-11-30

東京に、母が来た

三泊四日で東京に遊びに来ていた母が昨日帰った。

東京駅から新幹線で見送り、帰り道で見上げた空がとても青く澄んでいた。ひとり自宅へ戻る道、さみしいのか、幸せだったのか、切ないのか…最後のお別れというわけではないのに、胸がいっぱいになった。

母は齢80歳。とはいえ感覚的には70歳前半くらいかもしれない。好奇心旺盛で身体もまだ元気。

到着日には、東京国際フォーラムにファンだという徳永英明さんのデビュー30周年コンサートに行き(直前にオークションサイトでチケットGet)、翌日には横浜にいる次女(私の妹)のところへ高1になる孫の顔を見に行った。また、外苑前のイチョウ並木や六義園など都内の紅葉スポットを見たり、上野の森美術館や根津美術館へ行ったり、私の近所の整体院で側弯症の治療を行ったり、と盛りだくさんの旅だった。

母は年とともに記憶力が落ちたり、思い違いが多かったりするが、感情豊かで好き嫌いがはっきりしている性格は変わらない。しかも表現がオーバーだ。

妹宅に向かう田園都市線で母だけが座ることができ、私がその前に立っていたら、「あんた、ずっと立っているのかわいそう」と大げさに言い、居たたまれなくなったらしい座っていた若い男性は、ついに私に席を譲ってくれた(すみません(^_^;))

せっかく東京に来たのだから、スカイツリーくらい行きたいかな、と予定に組んでいたのには、「人ん家の屋根を上から見てもつまらんし、わざわざ高いとこに登る必要ない」と却下。

母のその都度の気分で段取りや関心がどんどん変わってその都度iphonで調べて…と私にとっては脳トレみたいな旅…。

六義園(りくぎえん)に行く際には、「その庭の由来を調べて」と言い、「柳沢吉保が5代将軍・徳川綱吉からもらった土地に、自分で設計して作ったらしいよ」と答えると、「柳沢吉保ってドラマで悪い人みたいだけど、どんな人?」と聞かれる。

歴史に疎く大河ドラマも見ない私はちんぷんかんぷん。でも、調べるうちに、元々家禄530石の小姓組番衆だったのに、綱吉に仕えて気に入られたことによって、22万石の甲斐国甲府藩主で大老格にまで大出世、六義園もその気に入られた一環で、もらえた土地に作ったらしいことを知ってびっくり。

家からわりと近く何度も行ったことがある六義園はそんな庭だったか。

母といると勉強になることが多いのだ。

私は何でも「受け流す」が。母は逐一喜んだり怒ったりする。昔は怒られてばかりで怖かった。

今回の旅では、庭園の茶屋があることに甘いものを食べたがり甘えてくる母を新鮮に感じた。鞄から切符や薬ひとつ出すのも手間取り、足も弱くなり、歳とったな~とも感じた。

家族って、いいな

また、私はふだん出不精だが、それは一人で家族や親しい友だちが少ないからなんだな、とも、改めて思った。一人で出かけるにはある種の気合いがいるし、友だちと出掛けるにしても予定を合わせたり意向を確認しながら段取りしたり…そういうエネルギーが私には不足している。結果として出かけないことになってしまう。

けど、こうして秋空の下、母と出掛けた4日間のなんと楽しかったことか!

ACIMとはまったくちがう世界観なのかもしれないけど、素直に楽しかったし、家族っていいな、と思った。

そして、ACIMや聖霊さんのおかげで、暮れに近い慌ただしかったなかでも、こうして貴重な母娘の旅が無事できたことに、感謝!感謝なのだった。